僕の雨-1

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朝早くに起こされたせいか、僕はウトウトと眠っていたようで、肩を揺すられていた。 すまん、着いた?慌てて目が醒める。 が、そこはバスの中でなく、学校の教室だった。 自分の席に自分が座っている。 どこに着いたんだ?と、傍にいる教師が聞いてきていた。 先ほどまで海で遊ぶ気だった僕は、突然真面目な空間に放り込まれていた。 あっいやっ…としか答えられず、続けて消え入るようにか細い声で謝るしかなかった。 周りからはクスクスと笑われ、教師が教卓に戻る間際、僕は君の席の方をみた。 いつもの呆れ顔がそこにあった。 安心したのもつかの間、僕の頭はこんがらがったままだった。 授業終了のチャイムが鳴り、昼休み。 手につかなかった教科書とノートを閉じてしまっていると、早々に君が側に来ていた。 見てるこっちが恥ずかしいくらいだったと、呆れを超えて哀れみに近い感想を述べられたが、僕はじっと君の顔を見ていた。 流石に何も言わない様子を訝しんだのか、本当に具合悪い?と心配して来たので、慌てて否定する。 「ならいいんだけどさ。そうだ、そんなことより、夏休みの予定」 僕の逡巡はそんなことの一言で片付けられた。 「受験生って言っても、1日くらいは遊びに行こうよ」
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