第1章 

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雨の日に、公園で1人たたずむ男子を見つけた。彼は金髪でいかつくて目つきの悪い、いわゆる不良のような外見だった。彼の前には段ボールが置かれていた。 拾ってくださいと殴り書きされているその箱から、ひょっこり顔を現したのは、瞳を潤ませた子犬だった。 彼は子犬を見つめ、カバンからタオルを取り出し子犬の体を包んだ。子犬を抱き上げ公園から去っていく彼の黒い傘を見つめ、私は思った。 「あなたは何匹犬を拾うの…?」 この疑問は、3日前の昼休みの友人の一言から始まる。
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