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第3章
私と桐生院は飼い主探しを始めた。私は飼い主募集の記事を書いた。桐生院もチラシを構内の掲示板に張ったり、自分の家の塀に貼り付けたりした。あとは休みの日には私の知り合いがやっている商店街のお店、公民館、図書館、公園といたるところにチラシを張ってもらうことを頼みこむ。ほとんどの人はみんな許可してくれた。
「まぁ、梓ちゃんのお願いだからね。断れないよ」
「ありがとう!おじさん」
「…おまえ、どれだけ人脈があるんだ」
桐生院は私の顔の広さに驚いたようだ。しかし、桐生院も少しずつ変わりつつあった。チラシや記事の問い合わせ先は私と桐生院の名前を書いたのだ。掲示板にチラシを貼り付けているのも目撃されていて、彼が怖い人ではないのではないかという噂が出始めた。
なんと最近では女子に話しかけられる姿を発見した。
もともと見た目はいいのだから、改善していけば人の輪に入れる。その変化がうれしいと思うけど、なぜかモヤモヤする。この気持ちは一体何なのかはまだわからない。
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