第6話 梟の隠密 中

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 いわゆる魔法の燃料のようなもので一般的に魔力(マジックパワー)をたくさん使う魔法ほど世界への影響度が高いとされる。魔力(マジックパワー)には大きく分けて生物の体内にて生成される気力(オーラ)と空気中に漂う魔素(マナ)の二つがあり、魔法行使者自身の気力(オーラ)魔素(マナ)、他人の気力(オーラ)の順に扱いが難しくなる。  ふたつめは構築式。  いわゆる魔法の設計図のようなものでどんな魔法が発現するのかなどの概念を抽象化(アブストラクション)することで魔法が発現する。緻密でかつ、的確な抽象化(アブストラクション)であればあるほど、発現する魔法の効率が上昇する。  みっつめは精神領域(メモリー)。  大量の魔力(マジックパワー)でどんなに優れた構築式であっても精神領域(メモリー)が不足していると魔法が発現しない。獣人を除くほとんどの種族が一定量の精神領域(メモリー)を保持しており、こればかりは訓練などでは身に着けることはできない。  精神領域(メモリー)は魔法が及ぼす世界への影響度が高ければ高いほど必要量が増える。例えば、街一つを消し飛ばせるほどの魔力(マジックパワー)と実際に街を吹き飛ばせる構築式があっても、魔法行使者の精神領域(メモリー)が不足していればその魔法は不発に終わるか、威力が抑えられて発現する。  また、世界への影響度は魔法行使者から離れれば離れるほど大きくなるため、ただ火を起こすだけの魔法であっても離れた距離に対して発現させるとなると大量の精神領域(メモリー)が必要となる。     
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