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「レオ殿、少しよろしいでしょうか?」
出撃の準備を整えていると俺の傍に1人の男が近づいてきた。
「お前は第4班の班長だったか」
「はい、ロルクと申します」
兵団は10人ごとに班という単位で分けられておりそれぞれ班長がいる、彼はそのうちの1人だ。
「わたしはこの近くの村出身でしてこの辺りについて詳しいのですが」
「おお、それはありがたい」
「雨が降ります」
「雨? こんなにも晴れているのにか?」
「ええ、このあたりの者ならすぐにわかるのですが森の野鳥が雨から逃れるようにこちら側へと飛んできております。この分ですとあと半時ほどで雨が降ります」
雨か。魔王軍は雨などの気象を利用することは多い。これは警戒すべきことだな。
「ありがとうロルク。そうだな、雨の中で進軍は止めた方が良いかな」
「いえ、問題ないかと。我々のほとんどはこの辺り出身ですので。しかし、雨が降ることはレオ殿に伝えておかなければと」
「そうか、なら大丈夫か。今回は遊撃任務だし、深入りしなければ負けることはないからな」
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