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その後、俺たちは想定通り砦から森へと出撃したがロルクの言う通り雨が降ってきた。雨の中の行軍でかつ森という地形も相まってか中々、進むことはできない。
そればかりか……
「報告です! 先行偵察をしていた3班が見当たりません!」
「こちらも報告です! 後方の8班がいません…」
「おいおい、レオよ。コレちっとヤバくないか?」
トムの言うとおりあまりよろしくない展開だ。元勇者候補としての初陣で2割の兵が行方不明で天候と森のせいで行軍もままならない。この森を知らぬとは言え雨の中で森を進軍するのはやはり無理があったようだ。
こんな状況で魔王軍と遭遇なんてした時には――
「て、敵襲!」
最悪だ。俺の予想は最悪な方向に転がり落ちているようだ。
「6班と7班が交戦中とのこと至急援護を」
「よし、援護へ向かおう」
俺はトムと兵たちを連れて敵襲のあった方へと向かう。
「レオ殿」
途中、ロルクが話しかけてきた。
「この先は断崖絶壁です。上を取れば勝てるかと」
「了解した。しかし、上を取る前に全滅しては意味がない……敵は魔王軍だ」
魔王軍の兵士は悪魔や魔物と亜人といった人外で構成されている。その全てが人間より強いわけではないがハイレルト王国を滅ぼし、すぐに隣のシュベルツ王国へと偵察を放ってきているのだ。
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