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わたしは強いから
破けた空みたいに
雫をこぼしたりなんかしないの
おおわれた鈍色の空
白みがかった止まれの標識
突き刺さる赤信号
ひび割れたアスファルト
水無月だというのに
無慈悲に時を裂くのは水
「無いのは月のほうかもね」
ふたたび見上げることはせずに つぶやいた
目深にさした傘
小さな世界を守る傘
目深にさした傘
わたしの世界を守る傘
おかしいな
冷たい雫ははねのけるのに
温もりある雫が
わたしの足に滴り落ちた
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