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「S2000は目立つ車ですからね。それをあそこまでいい状態で乗っているとなればなおさらです」
「んふふ、でしょ? いろいろいじる人いるけど、もともとが速い車だからね。フェンダーをいじったり大きなウイングつけるよりも、ノーマルの状態に近いほうがいいと思って」
「そう言いながらも、足回りはいじっていますよね? ブレーキパットとサスペンション。あまり見かけない色でしたが……」
「どこのメーカーか、みんな聞いてくるんだけど、あれは無限のやつ。サーキットで走るのに、色々試したけど、ホンダだからさ。やっぱり無限のが一番よかったなあ」
「無限であんな色があるんですね。初めて見ました」
「見たことなくて当たり前だって。色は塗ってもらったんだよ。塗装の専門店で」
ならば見たことがないのは当然だ。
「いいでしょ、真っ白なボディにノーブルブルー。ブランドを自慢するより、おしゃれにしたくて。だってさ、もともとのやつだと色っぽくないんだもん」
「それは深刻な問題ですね」
「だよねー」
笑いながら女は頷いた。
「お兄さん、かなり車好きみたいね。ねえ、もう一ついいコト教えてあげるね」
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