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(ホストと勘違いしていたわけか)
さすがに苦笑いを隠せない。
ホストに間違えられたのは初めてではなかったが、ここまでフランクに話しかけられることはまれだ。
店に入ってきたときに店長との会話を聞かれていたようだが、全部ではなかったのかもしれない。
あるいは紗川は自分の立場を明確にする発言はしていなかったから、単純に常連と思った可能性もある。
紗川は彼女の間違いに気づかぬふりをして頷いた。
「川越にありますよ」
「川越? この辺にないよねえ、そう言うお店。……うーん、何のお仕事なの?」
ホストかと言うのは、流石に気がとがめたのだろう。
紗川は安心させるように微笑んだ。
サラリと長い前髪が揺れる。
「どんな職業に見えますか?」
「うーん、わかんない。ねえ、何やってる人なの?」
「探偵です」
「探偵?」
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