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「どうしたのよ、そんなに顔を赤らめて……」
じーっと、オレを意味深に見つめるタカノ。
え! なっなななんです。ちょい待ちよ!
「もしかして……ウンコしてたの」
「は?……あっう! うんうん そうそうお腹痛くてね」
オレはドギマギしながら、それを肯定した。
ほう、何か助かった。ホント、良かった。
「そうだわ、とりあえず、いつきの部屋に行きましょ。どんな薬だったか知りたいし薬を販売している会社もネットで調べれば何かわかるかもしれないわ」
おっ! タカノのやつ以外に頼りになるかも。
「ああ わかったよ、タカ姉」
PCで薬の製造元、販売店を調べてみると、会社名から住所、電話にメール至る全てがダミーだった。
オレみたいに騙され、薬を購入した奴等は大勢いる事が分かった。
薬の中身には、市販のボディクリームと栄養剤が使用されていて、容れ物を移し替えて偽装を行い販売をしていたようだ。
だから、薬によって肉体の変化が起きる事など、まずあり得ないはずだけど。
何故、オレだけこんな事になったんだ……。
ベッドの上に腰掛ける樹乃タカノは、錠剤が入っていたスチール缶、紅い練り物チューブを手に取り眺めている。
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