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「うーん? 何故、いつき、だけ肉体が変化したのか? 信じられないけど、いつきの話を聞く限りじゃ、原因はコレしか考えられないものね」
「オレだってそうだよ。今だに、信じられない。夢なら早く醒めてほしい……」
俺が肩を落とし落胆していると。
「まっ、そんなに気落ちしててもしょうがないでしょ! 起こった事は仕方ないわ。今は最善尽くすだけよ。しっかりしな、いつき!」
タカノの言葉に、オレは目を見開いた。
マジかよ。いつも俺を罵ってばかりのタカノだったのに。そんな励ましの言葉を掛けてくれるなんて、感動もんだ。
「なによ、その顔、私変な事言った? まあいいわ、それよりも、これからどうするかよ」
俺の態度が癇に障ったのか、少しムスッとした顔をするが、そこは和えて追及せずタカノは話題を変えた。
「その姿が一時的なものだったら良いけど。そうで無いなら私達に出来る事はないと思うわ。此処はもう父さんに相談するしかないかな。いつき、どうなの?」
確かに、俺たちが出来る事なんて、たかが知れてる。
今、頼れるのがオヤジくらいしか居ないしな。気は進まないけどしょうがないか。
「タカ姉の言う通り、このままじゃ、どうしようもないからオヤジに相談するよ」
オレの返答を聞くと一言。
「そうと決まればっと」
タカノは腰掛けてたベッドから少し勢いを付け立ち上がった。
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