第10話【ひとりエッチにご用心】

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 部屋を出て、急ぎ一階の浴室に行く。 「あああっ! 思い出すだけでムカつく、ムカつく、ムカつく!」  湯気立つシャワーを浴びながら、オレは悪態を吐く。  なんで、こんな思いしなきゃならん! 悪いのは、アイツだろ、バカ春。  自分で言うのも気が引けるけど、確かにオレはカワイイし、ちょこっとだけ……エロいと思うが、元は男で、しかも友人に手を出すか?  いくら無類の女好きでも見境なさ過ぎるぞ!  バスチェアへちょこんと座り、石鹸を手に取れば、それを、ちゃぷちゃぷと擦り合わせていき、アワアワに泡立てた。  そしたら、全身に泡を纏わり付かせて、隅々まで丁寧に揉み洗う。 「ふはぁっ……っぁぁ……あんまり意識してなかったけど、オレのカラダって……んんっぁ、すっごい、ぷにぷにしてるのな」  カラダ洗うだけで何感じてんだオレは。  バカ春の弁明する訳じゃないけど……コレは男好きだわ。  だがしかし、バカ春は赦さん!  オレのファーストキス、終いには、処女まで奪いやがった。  怒りに拳をブルブル震わせて、オレは立ち上がってしまう。  もう一発ぶん殴らないと気が収まらない。  明日、学校行ったら覚えてろよ!     
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