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部屋を出て、急ぎ一階の浴室に行く。
「あああっ! 思い出すだけでムカつく、ムカつく、ムカつく!」
湯気立つシャワーを浴びながら、オレは悪態を吐く。
なんで、こんな思いしなきゃならん! 悪いのは、アイツだろ、バカ春。
自分で言うのも気が引けるけど、確かにオレはカワイイし、ちょこっとだけ……エロいと思うが、元は男で、しかも友人に手を出すか?
いくら無類の女好きでも見境なさ過ぎるぞ!
バスチェアへちょこんと座り、石鹸を手に取れば、それを、ちゃぷちゃぷと擦り合わせていき、アワアワに泡立てた。
そしたら、全身に泡を纏わり付かせて、隅々まで丁寧に揉み洗う。
「ふはぁっ……っぁぁ……あんまり意識してなかったけど、オレのカラダって……んんっぁ、すっごい、ぷにぷにしてるのな」
カラダ洗うだけで何感じてんだオレは。
バカ春の弁明する訳じゃないけど……コレは男好きだわ。
だがしかし、バカ春は赦さん!
オレのファーストキス、終いには、処女まで奪いやがった。
怒りに拳をブルブル震わせて、オレは立ち上がってしまう。
もう一発ぶん殴らないと気が収まらない。
明日、学校行ったら覚えてろよ!
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