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オレはリビングのソファでダランと力なく寝そべり、テレビを見ていると、そこへ頬を赤く上気させた妙に色っぽい湯上り姿の樹乃が、目の前を遮る。
「樹里、早く寝なよ。明日も学校あるんだから」
「うん……わかってる」
オレは上目でタカノを見上げたら、素っ気なく返事して、スッと視線をテレビへ戻す。
「いつき、何かあったの? 今日はやけに素直じゃない」
「へっ?……べっ、別に何もないけど」
タカノの言葉にキョドってしまう。
相変わらず、変なところで勘が鋭いんだよな。
「嘘ついてもムダよ。夕飯時も父さんが話しかけても、うわの空で空返事ばっかりでおかしかったわよ。アンタ」
オレに言い寄ってくるタカノ。
まずいと言うか、こんな事話せるわけねぇだろ。
どうしよ、どうする、何とか誤魔化して、この場を切り抜けないと。
「ああっ! しまった! まだ夏休みの課題終わらせてないのがあったんだ。悪いタカ姉」
とって付けたような言い訳をして、そそくさとリビングを後に部屋へと戻った。
さっさと寝て今日の事は早よ忘れよ。
ベッドに横になり目を瞑る……ううっ、全然眠くない。
ってか、ホントは身体が火照りに火照ってヤバイんです。
風呂入ろうがゲームしようが何をしても、一旦スイッチ入ると、オレのカラダはどうしようもなく気持ちいいを求めてくる。
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