第10話【ひとりエッチにご用心】

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 オレはリビングのソファでダランと力なく寝そべり、テレビを見ていると、そこへ頬を赤く上気させた妙に色っぽい湯上り姿の樹乃(タカノ)が、目の前を遮る。 「樹里(イツキ)、早く寝なよ。明日も学校あるんだから」 「うん……わかってる」  オレは上目でタカノを見上げたら、素っ気なく返事して、スッと視線をテレビへ戻す。 「いつき、何かあったの? 今日はやけに素直じゃない」 「へっ?……べっ、別に何もないけど」  タカノの言葉にキョドってしまう。  相変わらず、変なところで勘が鋭いんだよな。 「嘘ついてもムダよ。夕飯時も父さんが話しかけても、うわの空で空返事ばっかりでおかしかったわよ。アンタ」  オレに言い寄ってくるタカノ。  まずいと言うか、こんな事話せるわけねぇだろ。  どうしよ、どうする、何とか誤魔化して、この場を切り抜けないと。 「ああっ! しまった! まだ夏休みの課題終わらせてないのがあったんだ。悪いタカ姉」  とって付けたような言い訳をして、そそくさとリビングを後に部屋へと戻った。  さっさと寝て今日の事は早よ忘れよ。  ベッドに横になり目を瞑る……ううっ、全然眠くない。  ってか、ホントは身体が火照りに火照ってヤバイんです。  風呂入ろうがゲームしようが何をしても、一旦スイッチ入ると、オレのカラダはどうしようもなく気持ちいいを求めてくる。     
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