第2話【触れるな危険?】

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 脱衣所に行き、服を洗濯カゴへ脱ぎ入れて、素っ裸で洗面台を横切り、浴室のドアノブへ手を掛けた時、ふと、洗面台の鏡に写った自分を見た。  自分で言うのもなんだけど、こうやって改めて見るとスゲぇ可愛いよな。何となしに、髪をたくし上げてみたり、胸を寄せ盛ってみたり、グラビアっぽい格好(ポーズ)を取ってみる。 「はっ? キモッ!」  この場に居るのが、物凄く居た堪れなくなり、オレは浴室へと逃げ込んだ。 「マジ、何やってんだ、オレ」  沈んだ気分を一心すべく、シャワーの蛇口を捻る。 「ひゃん! つっ、冷た!」  カン高い声が浴室に反響した!  シャワーヘッドから出たのは、お湯で無く冷水。すぐさま、蛇口を閉めてシャワーを止めた。 「ああ、もうっ、何なんだよ」  オレはどうにもならない、苛立ち吐き出す。  それより、浴室に反響した声が自分の耳に入った時、女になったと尚も実感させられた。   再度、シャワーの蛇口を捻れば、シャワーヘッドより湯気が立ち上る。お湯が出たのを確認したら、壁に付いた一番上の取手にヘッドを引っ掛け、そして、頭からシャワーを浴びた。  女になったからなのか、毛量が増えて伸びたような気がする。それと男の時より髪質が変わったのか、指通しが良くサラサラヘアになり艶が出てきた。     
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