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洗面台の前で全裸になり鏡に写る自分をじっくりと眺め呟いた。
全く効果は出てない。
やっぱりインチキか…………。
俺の背後に位置する洗面所の戸がバタンっと勢いよく開いたら、
「ナニ? 鏡の前でブツブツ言ってるのキモチ悪い!」
「ぬぐっ!!」
俺は突然の声に身体がビクッと硬直する。
「しかも、ハダカって、お宅は変態ですか?」
後ろへ振り返ったなら、洗面所の入口に女が立つ。艶やかな黒髪ロングを掻き上げて、切れ長の黒い瞳を細めれば、訝しげな表情で毒が吐かれた!
「ビビらせやがって! 心臓、止まったらどうすんだ! それに風呂場もあるんだ全裸でもおかしかないだろが、アホ、樹乃!」
育ちに育った胸を張り、ふんぞり返る女こと、姉の樹乃に言い放った!
「なっ! この麗しく聡明なお姉様を呼び捨てにして、尚且つアホ呼ばわりですか? マジで心臓止めてあげようか! 樹里ィィ!!」
ワナワナと肩を揺らし、怒りの表情を見せる樹乃。
それを見て俺は身をたじろがせた。
しまった?! ヤバイ、そう思った瞬間!
樹乃は、流れるように俺の背後に周り、両腕を首に巻きつけてプロレス技の裸絞めを掛けてきた!
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