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恥ずかしさと怒りで、言葉にならない声をあげ、俺は髪を掻き毟る。
「落ち着けオレ……ここは、冷静に行こう」
深呼吸をして気を鎮めた。
まともに相手する事はない……。
さて、薬はまだ残っているから、とりあえず使い切ってしまわないと勿体ない。
継続は力なりと言うしな。
少し意味が違うか……まあ、いいや。
薬を使い切ったはいいが、何の変化もみられない。
ちっ、やっぱりインチキ商品だったか。
「はぁ、勿体ねぇ。もうすぐ夏休みが終わるってのに、これじゃ休み前と何も変わんねぇよ。やっぱ世の中そんなに上手くいかねぇな……」
ベッドの上で不貞腐れ、ボヤき入れつつ、横になると、俺は、そのまま寝入ってしまった…………。
カーテンの隙間から差し入る日の光が顔に当たり目が覚める。
「ふっ、はああ」
俺は欠伸しながら布団の中で背中を反り返し伸び上がったら、ベッドより起き上がる。
全身がぶるっと震え尿意を催せば、一階のトイレへと向かった。
トイレに入り、パンツをズリ下げて小便をしようとしたが…………??
「ん、アレ? おかしいな?」
俺は下腹部に違和感を感じた。
視線を下げるが、いつも小便する時、必ず手に取るムスコの姿が見当たらない。
おい、俺のムスコよ、どこ?
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