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第7話【学校へ行こう】
快感の余韻が続いて身体に力が入らず、頭がぼうっとする。春國にもたれ掛からないと、立っていられない。
車掌のアナウンスが耳に届き、学校の最寄り駅である学園坂前と聞こえた。
学園坂前……ん?! 段々と意識が覚醒してきた。
さっきの出来事が頭の中を走馬灯のように駆け巡る。
えっ、ええ、はっ、春國にイカされたの……ありえないよ。
一人、頭をグルグル困惑させていると、電車が駅に到着した。
ガタリと車両のドアが開いた瞬間、春國からサッと身体を離して、後ろを振り返りもせずオレは、速足に女子トイレへ逃げ込む。
「ハァハァ、一旦落ち着け……何してんだよオレのアホ」
洗面台に手を突き鏡を見つめる。
鏡に映ったオレは、頬を朱く染め少し満たされた顔をしていた。
キ・モ・チ・よかったけど……春國なんかにぃぃぃ。
頭を左右に振って、こみ上げた思いをかき消す。
ハア、軽はずみな事しやがって。
あのバカと、これからどんな顔して会えばいいんだよ。
春國のアホ、アホ、アホ!
気を落ち着かせる為、洗面所の蛇口を捻り、冷水で顔をバシャバシャと洗い流した。
「はぁぁ! スッキリした」
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