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はい? どの口がほざいてる! 面の皮が厚すぎだ。
「何かありよったら、だてウチにいいよんよ、イッチャン。ボコにしたるけんね」
ミナギのヤツ、可愛い顔して怖いこと言うな。
そういや、ミナギの家って空手道場を経営してたっけ。
「心配してくれるのは嬉しいけど……オレってそんな頼りないかな」
『うんっ』
一同は一斉にハモり頷いた!
「はっはは、際ですか」
オレは乾いた笑い声を上げてカクッと肩を下げた。
荘厳な造りの校門を抜けて、学校の正面玄関に辿り着いた。
「悪りぃ、先行ってて、とりあえず職員室に寄ってくから」
「おお、わかった」
「教室で待ちょるけんね」
「また、あとでね」
オレは、靴を上履きに履き替えて下駄箱の前で、春國達と別れた。
少し急ぎ足で、一階端にある職員室を目指す。
オヤジのヤツ、オレの事、何て先生に伝えたのかな?
「わあっ?!」
「おっとっ?!」
廊下の突き当たりを曲がったら、出会い頭に誰かとぶつかり、オレは、よろめきドスッとその場に尻餅を突いた。
「いっ痛てぇ、ダレだよ?」
「悪い、大丈夫か」
尻餅を突いたまま、オレはぶつかった相手を見上げた。
げっ、同じクラスの秋篠じゃねぇか。
相変わらず、デカイな。春國より頭一つ分大きい。
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