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秋篠楓オレんとこのクラスで、春國と人気を二分するヤツ。
軟派な春國と対照的で、クール且つ男臭い漢って感じの硬派な男前。
更に付け加えるなら、春國と違って男からも慕われ人気がある。
「大丈夫ついでに一ついいか」
「えっ? なに?」
オレ何か気に障る事したか?
「それ隠した方がいい。丸見えだ」
耳を赤くして視線を泳がせながら、秋篠がオレに言ってくる。
どういう事? 何のことだ?
秋篠が、チラリとオレを見て目配せしてきた。
目配せされた場所に視線を落とせば、そこには、脚をガバッとおっぴろげ、パンモロ状態の下半身がある。
はぁえ、マジでっ、自分の顔がみるみる熱を帯びて熱くなっていく。
直ぐさま、手をバタつかせスカートで覆い隠す。
できる限り今の感情を隠し抑えて、オレは秋篠に手を差し出した。
「ほれ」
「なんだ? どうした?」
「鈍いやつ。こういう時、男ならさりげなく手を差し伸べるんじゃね?」
「あっ、すまん」
オレに言われるまま、秋篠は、手を差し伸べてきた。
秋篠の手を掴み立ち上がって、服の汚れをパンパンと叩き落とすと……。
オレは、秋篠のネクタイをグイッと引っ張り顔を近づけて、最高の作り笑顔で言ってやる。
「今見たこと頭から消し去れよ。わかるよね?」
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