第1話【チェンジ】

9/13
前へ
/151ページ
次へ
「そうなんだけど、本当にオレだ、いつきだよ。別にタカ姉を馬鹿にしてるわけじゃない。マジで、信じてくれよ!」  俺の言葉に、困惑気味なタカノ。  どうしたもんか……とりあえず信じて貰わないと。 「オレが、いつきだと証明出来るものが有れば良いんだろ。だったらさ、オレとタカ姉しか知り得ない事を言えば信じるかい」  俺はタカノに提案をした。 「ええ、いいわ、聞いてあげる。言ってみなさい」  ふう、一応聞く耳は持ってくれたか。  さてと、一番わかりやすく信じて貰らいやすい話をするなら、やっぱり思いで話かな…………。 「流石に此処まで細かく話されたら信じない訳にいかないか。実際に体験しないと分からない話が幾つか有ったから。まあ、信じてあげるわ」  良かった! 俺の話を信じてくれたか。  でも、これで終わりじゃないんだよな。  この姿をどうにかしたいが、どうすりゃいいんだ?  タカノに相談しても、元に戻る事は出来ないだろうし。 「それにしてもさ、いつき、何でそんな姿になったのよ」  俺の姿をジロジロと見回し訊ねてきた。  やはり、訊いてきますよね。  言いたくねぇ! 絶対馬鹿にされる。  くぅぅ、オレは、嫌々ながら、これまでの出来事をタカノに話した。 「あっははは! 馬鹿過ぎて面白いわ、いつき、何か抜けててあんたらしいわね!」      
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加