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「あっ、ああ、わっ、わかったよ」
秋篠は、狼狽え、コクコクと頷き了承する。
「それじゃあ!」
「おおぉぉ……」
その様子にオレは満足して、ポカンとしている秋篠の肩を軽くパンッと叩くと、職員室に急ぎ向かったーー
「失礼します」
職員室の引き戸を閉めて中に入る。
いつ来ても、職員室って独特な雰囲気だよな。
悪い事してないのに、何故か、気分がソワソワする。
これは、オレだけかもしれないけど。
えっと、先生は何処だ? おっ! いた、いた。
入口から一番手前の席に担任の先生が座ってる。
「おはよう、火野ちゃん!」
オレは、席まで行き、机へと向う先生の背中越しに声を掛け挨拶をした。
オレの声に身体をピクッと反応させたら、椅子をクルッと反転して振り返る。
「おはようさん…………」
火野ちゃんは挨拶を返すと、神妙な顔をして少し黙り込み。
「すまん! キミの名前とクラス忘れてもうた。ホンマにすまん」
突然、火野ちゃんは眉を寄せ申し訳なさそうに、手を合わせて謝ってきた。
必死に謝りを入れる先生の名前は、火野良平。
オレ等、一年B組のクラス担任。
自称、炎の体育教師なんてほざいてる、暑苦しいくらい熱い男。
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