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第8話【初めては、保健室で……】前編
学校の創立からあるらしい埃臭く薄汚れた講堂。
窓から差し込む陽光に浮かぶホコリの中、壇上で長々と訓示を話すバーコード校長。
マジに話、長過ぎじゃねぇ、かれこれ一時間近く喋りっぱなしだぞ。傍迷惑もいいとこだ。あのハゲは!
と心の中でボヤいてたら、どうにも、さっきから、頭が体が、ふわふわしてる。
足元が覚束なくなり、立ってられない。
なんか、ヤバくね……今度は、意識が朦朧としてきた。
何とか、始業式が終わるまでは耐えないと。
嗚呼、でも、コレ、ムリかも…………。
「おい? どうしたよ、いつき? 大丈夫か、顔色悪りぃぞ」
隣に並んで立っていた春國が、オレの異変に気づき声を掛けてくる。
春國に返事をしようとするも、突然、テレビの画面を消すように、目の前が真っ暗になり、プツリと意識が途切れたーーーー
うぅぅ……ん?
鼻を突く消毒液の臭い、ココは?
薄目を開けると、飛び込んできたのは、眩しいくらいに光を浴びた真っ白なベッドカーテン。
ええっと、たぶん、保健室か?
オレって確か…………ああ、意識なくしたのか。
はぁ、ため息しか出ないよ。
女の姿になってから鈍臭さが、増してるような気がする。
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