50人が本棚に入れています
本棚に追加
ベッドで横たわる身体を起こして、両手を上げ伸びをする。
「くぅぁぁ……あ、そういや、始業式は終ったのか? 今何時だ?」
カーテンの向こうから、ガラガラと扉の開く音がした。
「チィっす。先生、後は、俺が見てますんで会議の方に行って下さい」
「あら、悪いわね。鍵渡しておくから戸締りよろしく。鍵は職員室のキーケースに仕舞って置いてね。それじゃお言葉に甘えて後のことはよろしくね」
聞き覚えのある男の声、多分、春國か、それと保健医の先生だな。
会話が終わると、扉が開閉され、保健医の先生は部屋から出て行ったみたいだ。
こっちに足音が近づいて来ると、ベッドカーテンがサーッと開けられた!
「おっ! 起きてたのか。ほらよっ!」
一瞬驚き、そして表情を和らげる春國は、手に持っていた紙袋を、オレへと放り投げてくる。
「おっと、ナニコレ?」
紙袋を受けとめれば、そのままガサガサと中身を確認した。
「お、たまごサンドに、イチゴ牛乳じゃんか! コレ、食っていいの?」
ベッド脇へ腰を下ろした春國に聞いた。
「そのつもりで食堂の購買部で買ってきたんだよ。お前ソレ好きだろ」
ありがたい、朝から何も食べてなくて腹減ってたんだよ。
最初のコメントを投稿しよう!