第8話【初めては、保健室で……】前編

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 ベッドで横たわる身体を起こして、両手を上げ伸びをする。 「くぅぁぁ……あ、そういや、始業式は終ったのか? 今何時だ?」  カーテンの向こうから、ガラガラと扉の開く音がした。 「チィっす。先生、後は、俺が見てますんで会議の方に行って下さい」 「あら、悪いわね。鍵渡しておくから戸締りよろしく。鍵は職員室のキーケースに仕舞って置いてね。それじゃお言葉に甘えて後のことはよろしくね」  聞き覚えのある男の声、多分、春國か、それと保健医の先生だな。  会話が終わると、扉が開閉され、保健医の先生は部屋から出て行ったみたいだ。  こっちに足音が近づいて来ると、ベッドカーテンがサーッと開けられた! 「おっ! 起きてたのか。ほらよっ!」  一瞬驚き、そして表情を和らげる春國は、手に持っていた紙袋を、オレへと放り投げてくる。 「おっと、ナニコレ?」  紙袋を受けとめれば、そのままガサガサと中身を確認した。 「お、たまごサンドに、イチゴ牛乳(ミルク)じゃんか! コレ、食っていいの?」  ベッド脇へ腰を下ろした春國に聞いた。 「そのつもりで食堂の購買部で買ってきたんだよ。お前ソレ好きだろ」  ありがたい、朝から何も食べてなくて腹減ってたんだよ。     
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