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すると、待ちかねたように薄い扉の向こうで女が答えた。
「美里ちゃん?久しぶり。あたし、ハツミ」
再び魚眼レンズを覗くと、またしても見たこともない女がどうやら笑顔を浮かべているように見えた。
「ハツミ……叔母さん?」
「お姉ちゃん亡くなったんだってね。遅くなってごめんね」
美里はその言葉を聞くと反射的に扉を開けていた。目の前には、予想をはるかに上回る体の大きな女が立っていた。
「久しぶり」
そう言って、見たこともない体重も百キログラムはありそうなハツミ叔母さんは不器用な微笑みを浮かべた。
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