1人が本棚に入れています
本棚に追加
周りの女子はみんなキラキラしてる。
昔はそういう人になりたいって思ってた。
今、私は、化粧もしてないし、スカートもあげてない。典型的な地味なタイプ。
「キャー!蓮くんー。」
女子たちの黄色い声が響く。来た。
学校1のモテ男日比谷 蓮。
私が最も関わることのなさそうなタイプ。と、誰もが思うはずだ。私もそう思う。でも、実は私の彼氏だったりする。
学校では付き合ってることは秘密。
それは蓮くんが私を守るためにって提案してくれたことだった。
「今日も蓮くん人気は凄いね。」
何も知らない光は遠くから指をくわえて見ているだけだ。
「そうだね。」
私は答えた。
蓮くんは私の方をちらりと見るとにこりと笑った。
私もにこりと笑い返す。
「蓮くーん。今度の美術の男女ペア誰と組むのー?」
「もちろん私とよね?」
「違う!私よ!」
女子達は口々に言う。
「蓮くん!誰にするか決めてよ!」
「じゃあ…」
そう言うと蓮くんは私の方を見た。
「春風さん。もう組む相手決まった?俺と組まない?」
「へ?」
突然話しかけられた私は変な声を出してしまった。
「なんで春風さんなの?」
「別にいいでしょ理由なんてないよ。これを理由に春風さんいじめたりしたらその人とはもう一生口聞かないからね。」
蓮くんがそう言うと、みんなは
「まぁ、いいよね。春風さんは蓮くんに興味なさそうだしー。」
と余裕を見せる。
「由奈。ちょっと、蓮くんに誘われるなんていいなー。」
光は言う。仲良しの友人にすら、付き合ってることを内緒にしてるのは少し辛い。
「春風くんよろしくー。」
「あ、よろしくね。日比谷くん。」
最初のコメントを投稿しよう!