第2章

14/20
320人が本棚に入れています
本棚に追加
/150ページ
優しい言葉に、余計に緩む涙腺に困り果てていると、繋いだ手がゆっくりと引き寄せられ、加瀬くんの胸にそっと当てられた。 「広崎、分かる?」 加瀬くんの声に、私は顔を上げる。 「俺だって、そうだよ。ほら」 加瀬くんは自分の胸に私の手を、ぎゅっと押し付けた。 「広崎といる時は、俺もドキドキしてる」 確かに少し早い加瀬くんの胸の鼓動が、私の手に直接響いてくる。 「似てるのかもな、俺達」 ちょっと照れ臭そうに話す加瀬くんの顔は、心なしか赤くなっているように見えた。 照れながらも心の内を晒してくれた加瀬くんに、 私はもっともっと自分の気持ちを素直に伝えたくなってくる。
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!