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優しい言葉に、余計に緩む涙腺に困り果てていると、繋いだ手がゆっくりと引き寄せられ、加瀬くんの胸にそっと当てられた。
「広崎、分かる?」
加瀬くんの声に、私は顔を上げる。
「俺だって、そうだよ。ほら」
加瀬くんは自分の胸に私の手を、ぎゅっと押し付けた。
「広崎といる時は、俺もドキドキしてる」
確かに少し早い加瀬くんの胸の鼓動が、私の手に直接響いてくる。
「似てるのかもな、俺達」
ちょっと照れ臭そうに話す加瀬くんの顔は、心なしか赤くなっているように見えた。
照れながらも心の内を晒してくれた加瀬くんに、
私はもっともっと自分の気持ちを素直に伝えたくなってくる。
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