私が死んだ理由

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──どうです? 幽霊になった気分は? 西山先生   暗闇から、野村教授が姿を現した。 ──なんとも言えない気分ですね。実感がまだわかないというか……、それにしても申し訳ありませんでした、野村教授。こんなことになってしまって。 私は深く頭を下げた。 ──いえ、僕の方も謝らなければならない。先生のおっしゃったとおり幽霊は本当にいるのですね。あの番組で、いくら佐竹に指示されたからといっても、もっとちゃんと先生の話を聞くべきでした。 ──佐竹が? いったい野村教授は彼に何を言われたのです? ──いえね。今度、番組にくる奴は、幽霊はいると本気で信じているペテン師のような奴だから、面白おかしくあげつらってボコボコにしてくだいと言われて。その方が視聴率も良くなるし、話題にもなるので、教授の本もさらに売れますよと、情けないことにあの口車に乗せられまして。 ──佐竹め……。あいつ、私にはファンだとか、応援してるだの、調子のいいこと言っていたくせに。 ──それで、西村先生、これからどうしましょう? ──決まっています。化けて出るのですよ。 ──そうですね。彼にも幽霊は本当にいるということを教えてあげましょう。 幽霊になった我々は、佐竹たちのもとへとむかった。
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