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葬儀まであと一時間という頃には、全員、寝不足と酔いの残り香で、今にもその場に倒れ込みそうだった。
あの佐竹でさえ、まったく元気がない。
「では、そろそろ参列者がやってくるので、先生は棺の中に隠れていてください。野村教授が現れたら、無線で知らせますので」
「あ……」と佐竹が力なく言う。「くれぐれも棺の中で眠らないでくださいよ」
ふらふらだった私はこくりと無言でうなずいた。
しかし、そんな佐竹の忠告もむなしく、結局、私は棺の中で深い眠りに落ちてしまった。
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