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慶斗と裕之介と三人で固まっていたところに、クラスの女子が近づいてきた。
「慶斗! 次選択授業だよー、一緒に行こ」
「分かった」
慶斗はちょっとだるそうに言うと、私たちに手をふって行ってしまった。
そんなに、女の子がうざいってことなら、わざわざ女子と一緒に行かなくてもいいのに。
そう思うと、胸がちくっとする。
「お前さぁ」
気が付くと、残った裕之介がこっちをのぞき込んでいた。
「慶斗のことほんとは好きなんじゃ……」
思わず、びくりとする。
「ち、違うよ! 何言ってんの。私は慶斗のこと友達としか思ってないし」
最初に話しかけたとき、下心がないのは本当だった。だけど、話しているうちに、本当は気取ってないところとか、勉強頑張っているところとか、笑うと実はえくぼが出来て本人はそれを恥ずかしがっているところとか、慶斗のことを知っていくほど、どきりすることが多くなっていた。
でも、そんなこと知られちゃいけない。知られた瞬間、私もうざい女の子になっちゃうから。
「ふうん、ならいいけどな。ま、俺たちも選択授業行こうぜ、一緒だよな?」
裕之介がそう言い立ち上がって、追求されなくてほっとした。
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