鬼さん、どうぞこちらへ

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ずっと違和感があったんです。 3年前寺の前にいたときから、すでに。 僕の近くに誰かいたはずなのに、なにかを忘れているような気がしてならなかったんです。 寂しくて夜に泣くこともありました、寺では皆さん優しくてくれました。髪の色も目の色も少し珍しいものを見る目で見られるぐらいで、いじめられたりはなかったです。 むしろ、僕を気遣ってくれました。有り余るぐらい、優しかった。 でも、虚無感は消えることなくずっと残っていました。 1年ぐらいしてもそれに慣れることはなく、もう慣れることはないんだと、諦めました。 やっと、きてくれたんですね。朱鬼さん。 ああ、よく泣くのは変わっていないんですね。そんなに寂しかったんですか?それならなんで…いえ、鬼のあなたにもきっとなにか理由があってのことなんですよね。 玉子さんも元気そうです、良かったです。 …?これから僕はどうするか、ですか?僕が選んでいいんですか?僕が離れても良いんですか? …意地悪でしたか、ごめんなさい。僕も自分が思っている以上にあのとき騙されたことを怒っているようです。 でも、僕も変な意地を張るのはここで限界です。 僕は、朱鬼さんといたい。     
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