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愛しています、ずっと、記憶がなかったときも、ずっとあなたを求めていた、あなたしかいらないんです。
あのとき本当に一緒になれるなら血肉になってもいいと心からおもってましたからね。舐めないでください。
…ああ、僕も妖怪、になれるんですね、よかったぁ。
やっぱり生きていたんです、あなたと。
永遠の命を手に入れることになっても、それでも、あなたや玉子さんがいるのなら、そこがもし地獄でも僕には天国以外何物でもないです。
そう笑う式は、随分と大人になっていた。
20前ぐらいだろうか、相も変わらず細身だが、でも大人の身体だ。
一瞬で逢瀬は終わるだろうと思ったら、名前を呼んだらすぐに式は思い出した。
その決断をした式を、俺は悲しくも思いながらも、うれしいの気持ちがあった。これでようやく俺らのほうに引っ張れる。
これで、俺は。
「式、愛している」
「……その言葉やっと聞けたあ」
ふにゃりと笑う式は、とてもかわいかった。
式、これからずっと一緒だ。
もう、離せない。一回は戻れる選択肢があったのに、それを蹴ったのは式。
3年前決死の覚悟で俺は見送った、これでお終いになるはずの恋がやっと叶うことになったのだ。
式を抱きしめながら、もう離せなくてごめんな、と謝る。
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