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アドルフの代よりももっと前。国境を境に定められたイタリアとフランスの協定は今夜破られた。であれば、今後こちらが手を出したとしても相手は文句を言えない筈である。
今夜こちらへと手を出した組織は、同じイタリアンマフィアと呼ばれる他の組織に葬り去られるだろう。だがしかし、だからといってこちらがすべてを水に流す必要などないのだ。
「僕たちの要求を受け入れるか、長く続いたフランスとイタリアの仮初めの蜜月に終止符を打つか、彼らは今後選ぶ事になる」
楽しそうに笑いながら、フレデリックは庭に蹲る二人の侵入者と、こちらに背を向けて立つ弟を見つめていた。
END
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