Cela vient soudainement.01

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 にっこりと微笑む黒髪のフレデリックに、辰巳はガシガシと金色の頭を掻いた。言われてみればその通りである。 「やあクリス。聞こえているかい?」 『いったい何の茶番だ?』 「残念だけど、これはお芝居じゃない。聞いたままの事が僕と辰巳の身に起こってる」 『信じられると思うか?』 「信じる信じないはキミの自由だよ、クリス」  クスクスとフレデリックが低い笑いを零せば、回線の向こうから考えるような気配が伝わってくる。 『OK. フレッドは別として、辰巳がそこまでお前の真似事を続けてられるとも思えない。信じよう』 「あぁん? てめぇそりゃどういう意味だコラ」 『そのままの意味だろう。しかしお前、その声だと迫力も何もないな』 「好きでなってんじゃねぇんだよクソが」  噛みつく辰巳に苦笑を漏らし、フレデリックはクリストファーへと要件を尋ねた。 『ああ。例の件なんだが…、その様子じゃ無理そうか?』 「いや、むしろ歓迎だよクリス」  フレデリックの表の仕事は、航海士の知識がないと務まらない。むしろ本業の方が辰巳の仕事にもまだ近しいものがあると、フレデリックがそう言えばクリストファーはあっさりと納得した。 『なるほど。なら話は早い、今週中には頼む』 「分かったよ」     
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