或る魔法使いの話

5/5
前へ
/5ページ
次へ
*** 薄暗い道に、ひとりの少女がぽつんと佇んでいました。 見るからに薄汚れて傷だらけで、まるであの日のりすのように、今にも消えてしまいそうでした。 魔法使いは、倒れかけた少女を抱き止め、手を差しのべます。 少女は、魔法使いの罪だから。 これまでの罪を償うために、少女を助けるのです。 「―――おい、大丈夫か」 ―――これは、或る魔法使いの話。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加