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2 カーチェイス
2日後
「塩崎は誘拐犯だった、子供たちを実験台にしていた。生きていてはイケない存在なんだ」
PAJEROのハンドルを切りながら沖田が言った。
スカイラインが急接近する。工場を出たときからついてきていた。
「シルバースターの奴らだ、収納ボックスを開けろ」
沖田が言った。
ボックスを開けると黒光りする拳銃が出てきた。オートマチック拳銃だ。バイオハザードに出てきた奴だ。蝋燭のエンブレムが入っている。
拳銃なんてフィクションの世界でしか見たことがない、使い方なんて勿論知らない。
そう、日向の正体は刑事じゃない。
沖田の父親は権力者だ。なんとでもなる。
「スカイラインに向けてバンバンやんなよ?」
沖田が言った。
「バンバンやるのか?エロいな?」
日向はこんな状況でもジョークを飛ばしている。
「それどころじゃないよ!全く、そんなんだから彼女に逃げられるんだよ」
沖田に言われて日向のボルテージが100を切る。イライラが最大限になると特殊能力を発揮する。
「なるほど、ベレッタバーテック拳銃か」日向が安全装置を外す。助手席のドアを開け、身を乗り出す。「く・た・ば・れ!」トリガーを弾く。
銃弾がスカイラインのタイヤに炸裂する!
スカイラインが黒煙を上げながらグルグルとスピンする。
沖田が唖然としている。
「あんた何者?」
沖田は銃の腕前はあまりない。射撃訓練なんてあまりないし?そもそも銃の使い手だったらマーメイドなんて必要がない。
「ずっと非正規だったからな?殺意だけは負けないよ、ハハハッ」
バスンッ!バスンッ!バスンッ!
「しかし、この銃すげぇな?弾が全然無くならない、ヒャハハハッ!」
日向はエンジン部分に撃ちまくった。
ボンッ!爆発した。
「すげぇな?グランド・セフト・オートも真っ青だ」
「リバティシティか?ってか、殺しちゃまずいだろ?」
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