MERMAID

3 気になること

　クソッ！沖田の野郎、何が気になることがあるだ！俺がヅラじゃねぇか気になる！？捜査に関係あるのか！？バカ！
　柴野はイライラが止まらず貧乏ゆすりをしていた。

　沖田と日向を狙ったのは佐藤美冬って女だった。美冬は自分の過去を守るためにブラック企業を次々と襲撃した。過労死で問題になった《エイダ》の社長、贏田を秩父の山奥に誘い込み射殺したり、サビ残で社員を、こきつかったアパレルメーカー《ウニクロ》の闇原専務をラブホでバイアグラ飲ませて始末したりした。
「君には殺し屋としての素質がある」と、黒幕から言われたときは嬉しかった。
　黒幕を守るために日向たちを襲った。
　まぁ、そんなことは彼らは知らないのだが？

　御嬢様学校として知られる桃色学園にダース・ベイダーが侵略したのは金曜の昼休みだ。
　ダース・ベイダーには佐藤美冬も所属していた。ショットガンを乱射させ、小野寺は次々に生徒を蜂の巣にしていった。バスバスバスバス!

　沖田たちはヘリコプターで天魔島に上陸した。小野寺がベレッタを抜く、数秒先に沖田がマーメイドのトリガーを引いた。リロードする必要がないから安心だ。
「くそっ、リーマンショックの馬鹿野郎」
　小野寺が血を吹き出し絶命した。
　曲がり角から篠田由紀が、マシンガンを乱射してくる。バスバスバス!日向は小野寺の死体を楯にしながらベレッタを撃った!由紀はどことなく元カノの遠藤由貴に似ていた。給料が上がらないって理由でフラレた。
「女なんか大嫌いだ！」
　由紀を倒した。後少しで監禁室というときだった、谷村主任が崩れるように倒れた。そう言えば20歳以上の女性を射殺すると別離することになるって噂があったが、谷村が死んだのは無関係じゃないかも知れない。佐藤美冬も篠田由紀もハタチは過ぎている。
　死んだはずの小野寺が、モーゼルミリタリーを手に立っていたのだ。
　小野寺は死んだ恋人が見えている。
　小野寺は見た感じアラサーだ。ハタチ以上の独身男性を射殺した場合はセックスが出来る。沖田はウキウキしていた。
「美冬、どーゆーことだ?」
《地獄から蘇ったの。ねぇ?一緒にブラック企業を全滅させましょう》
　この美冬の言葉は小野寺しか聞こえていない。
　沖田は愕然とした。