6 屋上

1/1
前へ
/49ページ
次へ

6 屋上

 日向は身振り手振りを交えて説明した。 「作業場の壁にべったりと食紅が塗られていたんです。他の所はキレイなのに、5Sを重んじているsixswordにしては手ぬるいですよね?もしかして、何かを隠すためにワザと…」  「勿体つけてないで早く言えよ」と、谷村。 「では、遠慮なく言わせて頂きます。血ですよ、blood。ここはブラックどころじゃないブラッド企業です」  「うちが血汗工場だとでも言いたいんですか?」   蒲生がブルブル震えている。 「さっきから怪しいなぁ、あんた」   日向が刺すように蒲生を見た。  「寒いんですよ!」   「キレテンナヨ!クビキリヤガッテ」   蒲生がキョロキョロした。  「オマエタチノセイ」「ガモウコロス」  「うわぁぁぁぁぁっ!」   蒲生が発狂した。  「あぁ、そうだよ!俺が塩崎を殺したんだ!」  「塩崎ってのは偽名でした。本名は金白龍、弟は研修生としてシックスソードに来ていたが、パワハラの末に自殺している」   夕凪警察署の屋上で日向は柴野に説明した。   柴野はよくここで日向ぼっこしている。 「ふーん、塩崎を撃ったのが尾藤さんってのは本当なのかしら?」  「ライフルマークが一致しました」 
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加