7 矛盾

1/1
前へ
/49ページ
次へ

7 矛盾

 尾藤は下館駅の階段を駆け上がってた。便所から悪臭が漏れている。  ここのトイレマジでクセー!  たったいま人を殺した。  戸村治、殺人ロボを開発していた技術者だ。いったい、どこの研究所にいたのだろうか?3ヶ月前まで尾藤はチンピラをしていた。  問題行動が多くて破門された。  錦糸町にあるパチンコ屋でスロットをやっていたときだった。 『今夜はダメだな?』  尿意をもよおしトイレに立った。  小便器にツバを吐いた。 『ケッ、ついてねーよ』  ドアの開く音がした。後頭部に何かが当たる。チャカ!?驚きのあまりに小便がズボンに飛び散る。 『だっ、誰だ?』 『相南会の尾藤だな?』  そうなんかい?なんて、ギャグみたいな名前だ。 『あっ、ああ、そうだが?』 『0時までに新宿にあるスターライトホテルの302号室に来い』  言われたとおりに尾藤は向かった。  3人の男がいた。  窓辺でタバコを吸っている初老、唐木。ベッドに座りチャカの手入れをしている茶髪の若者、檜山。ソファでiPodを聴いている坊主頭の中年、真壁。 『約束とおり来てやがったぜ』  唐木がロレックスを見た。 『12時ジャストだな、面白い男だ』  唐木たちは殺人ロボを倒すために立ち上がったスーパーヒーローだ。だが、恐れをなした彼らは尾藤を使うことにした。    塩崎を殺したのは蒲生なのか?それとも尾藤なのか?どうしても知りたかったら七曲署まで。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加