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彼の動かなくなった体をかつぎ、あの丘へのぼる。
ヒューマンたちが眠る墓丘。
土を運び埋めれば、この丘はまた少しこんもりと高くなった。
これで、何人の帰郷したヒューマンが、ここに埋められたのだろう。
なぜいつも彼らは、わたしたちの記憶データに残りたがるのだろう。
幾重にもロックしたはずの複雑なプログラムをかいくぐって、その記憶データが、感情プログラムが、内から溢れ出す。
ヒューマンは──身勝手だ。
ヒューマンに近づけ近づけと作られた先代のアンドロイドたちは、複雑すぎる感情プログラムを搭載され、ヒューマンを愛し、守るように作られた。
ヒューマンが彼らを置き去りにし、地球を捨て去っても、彼らがいつ戻ってきてもいいように自らアンドロイドを作り上げ、次代なる我々二世まで生んだというのに。
捨て去った地球はもう、ヒューマンを受け入れられる環境ではなかった。
空気は汚れ、汚染ばかりで、水も果実も、ヒューマンには毒となり、蝕んで滅ぼすだろう。
一体のアンドロイドが言った。
ヒューマンたちの最期を看取ろう。
ここに来るヒューマンを、母の胎内のような心地で眠らせよう──と。
だからわたしはたちは皆──マリア、だ。
意味は、創造主の母だと……古いアンドロイドは言った。
そんな先代や仲間たちも、いつか朽ちていなくなった。
最後となる最新アンドロイドのわたしは、もうすぐ壊れることを覚悟した古いアンドロイドに、機能を弄られる。
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