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そんな風に出会った、わたしとドッド。
遺跡建造物の影に入り、ヒューマンには欠かせない水といくつかの果実を与えると、ドッドはようやく落ちついたのか、ぽつぽつとわたしに語りかけてきた。
年齢は「三十代だと思う」とあやふやに答えた彼は、滑舌悪くも一生懸命に言葉を紡ぐ。
大丈夫だ。わたしには語句補正機能もついているので、齟齬は起きない。ドッドが言うには、こうだ。
ドッドが生きた3580年代は、宇宙開拓時代。彼も例にもれず、宇宙に着々と増えていた開拓星へと移ったという。
その時彼はまだ幼子で、過ごしたのは開拓星で、地球の記憶はほとんどないと言う。しかし、その開拓星で小さな戦争が起きた。
「人間は愚かだね」
とつぶやいた彼は、その部分については多く語らず、ただ「それに嫌気がさして逃げてきたんだ」と最後を締めくくった。
遠い過去に捨て去ったはずの地球──そこに一人、逃げてきたのだと。
なんとなくドッドのここまでの経緯を理解したわたしが頷くと、ドッドは眉を下げて、わたしに問うた。
「ここに人間はいるかい?」
「いません」
そう、ここにはヒューマンはおろか、わたしの仲間もいない。わたしはひとりぼっちだった。
そしてわたしは、今この地球は、四十世紀初頭だと伝えた。詳しい年号を伝えれば、彼は口を大きく開けて、わたしの肩を激しく揺さぶった。
「そ、そ、そんなに先の未来に?」
驚くドッドは、知能が低そうだ。
コールドスリープモードで宇宙をさまよい、地球にたどり着いた彼。たった数百年で無事に着けたのも運があるほうだと説明し、わたしはある場所に彼を案内した。
そこは大きな土壌の丘。
この下には、たくさんのヒューマンが埋まっている。
「ドッドのように、地球に戻ってくるヒューマンは多かったそうです。しかし、その頃ここはもう、アンドロイドたちが主となっていました。わたしたちの先代となる者たちです。彼らは帰ってきたヒューマンたちを、死滅させました。これはヒューマンの言うところの墓だそうです」
「なぜ、アンドロイドが人間を……」
「わかりません。その理由は彼らは、我々にはデータを残してくれませんでした。隠すように地上の何もかもを破壊し──わずかな我々を作り、残して、彼らは滅びました。わたしたちはアンドロイドによって作られた、いわゆるアンドロイドの二世です」
「わたしたち……って、きみ一人なのだろう?」
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