呪いと少年・3

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オーガの一件から10日が過ぎた沢山の雲が空を覆った日。危険なモンスターが接近したにも関わらず一切の被害が無かったリタ村はいつも通りの朝を迎えていた。 木刀を脇にタクトは空を仰いでいた。実戦形式で特訓を始めて7日目。一太刀もカグヤに与えられないがカグヤに木刀で殴られたのは3桁を越えている。そして今も返り討ちにあい地面に伏しているのだ。 「まだ……やる?」 カグヤはイジワルな笑顔を隠すことなくタクトの顔を覗き込み聞いた。 今日だけで何度、カグヤにやられただろうか? 痣になるほど強くではないが木刀で殴られた箇所が痛く、また木刀を再度振るうだけの体力も残っていない。 「もう……ムリ……」 肩で呼吸をしながら降伏宣言をした。それを聞いたカグヤが手を差しだす。 「ちょっとずつだけど良くなってきてるよ! でも忘れないで……」     
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