呪いと少年・3

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呪いと少年・3

カグヤがセシリアを助けた時、ペグー村にコルガは着いていた。焼けた村にはカグヤの言った通りモンスターに襲撃されており生き残りがいる可能性も絶望的だ。 「嬢ちゃんの言ったことは本当だったか……。うっし! お前らオーガが降りて来てないか徹底的に調べるぞ!」 足跡だけではオーガなのかどうか判断し難い。オーガなのかトロールなのか決定的な証拠が欲しい。それによって今後の対応がマルッキリ違ってくる。コルガたちは細心の注意を払いながら森の中を進んだ。 「う~~~ん…………今んとこそれらしいもん無いッスねぇ」 団員の1人が言ったのは日が落ち始めたからだ。そろそろ戻らなければ森を出る前に暗闇に飲まれてしまう。リタ村の付近の森なら慣れているのからもう少し粘れるかもしれないが、この森ではそうもいかない。 「だな……今日はここで引き上げるか」 来た道をUターンしペグー村へと戻った。焼けた村は泊まれる建物などなく地面に直接横になる。土に染み付いた煤の臭いから逃れるように上を向けば目に映るは無数に煌めく星。夜の静寂と相まって心地好い安眠をもたらすハズだった……しかしその静寂は続かず直ぐに目を覚ました。騒がしく揺れる森そして伝わってくる振動。 「地面が……揺れている?」 地震とはまるで違う揺れ。等間隔での揺れはまるで巨大なモンスターが歩いているよう。だが、ここら一帯にそこまでの大型モンスターは生息していない。 「一体…………何がいるってんだよっ!」 それは僅かな夜の灯りのなか雷のような声を轟かせると森を破壊しながら闇の中に消えた……。
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