開く距離

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 太陽は好きではない。  特に雨の後。  水たまりを見ると異常なほど眩しい。キラキラと輝いて、美しさを見せつけられているみたいだから。  彼も同じように輝いている。  暗いところなどなくて、頼りになって、優しくて、どうしても自分と比較してしまうことに、ますます憂鬱になる。 「ふう」  ため息とともに胸のリボンが風にふかれる。いつの間にか風が吹き出したらしい。  足元ばかり見ていたことに気づいて、わたしは慌てて顔を上げた。  すると、そこに彼はいた。  日に焼けた顔を太陽に向け、恐れることなく両足でしっかりと立つ彼の姿。羨ましいほどに恰好よくて憧れる。だからこそ、嫉妬してしまう。  とても太陽が似合う人。そんな太陽が羨ましくて、嫌いだった。
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