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わたしも実はドキドキしている。テストの方が不安でたまらない。
でも、あんなふうに話すなんて出来なかった。
楽しそうな声が飛び交う中で、まるで世界が違うかのように前を歩く光哉。それに数歩離れてついていく。
一緒に登校しているはずなのに、一人で歩いているのと変わらない。
わたしは告白された日のことを思い出す。ついこの間、三年になってすぐだった。
新入部員が入って、初めてのミーティングが終わった後。わたしは光哉に呼び出された。
わたしも吹奏楽部として、応援部と共に大会があるたび忙しくしていた。だから呼び出された時は、部の伝達事項か何かかと勘違いしたっけ。
『好きだ』
学校の応援団として活躍する、あの無表情で真面目な光哉が告白なんて信じられなかった。
叶わないと思って、わたしは想いを永遠に告げないと決意したばかりだったから余計に。
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