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買ってきた豆腐を入れようと冷凍庫の場所を作る。保冷剤。これも保冷剤。なんで保冷剤。やたら保冷剤。冷凍庫の三分の一は保冷剤ではなかろうか。なぜ捨てられないんだ。紙袋を溜め込む話はよく聞くけれど、保冷剤の話は聞いたことがない。歳をとるほど勿体なくて捨てられなくなるのも老いなのか……。冗談じゃない。今から冷凍保存しても解凍されてもオバサンのままだ。
「ハアアッ!」
容赦なく襲いかかる衝撃。保冷剤の下に、ひょっとこフーズの木綿豆腐3連が2つもある。嘘だろ。いつのだよ。いつ買ったんだよ。なんで調理してないんだよ。ひょっとこフーズが私を陥れようとしているのか。
気を落ち着かせるためにバナナでも食べよう。小腹を落ち着かせるにはもってこい。
バナナの皮をゴミ箱に投げて、フローリングにカチンコチンに冷凍されたひょっとこフーズの木綿豆腐3連を並べてみる。
右から1週間前に賞味期限切れ。3ヶ月前に賞味期限切れ。最後の1つに至っては年度が違う。
これで凍ったひょっとこフーズの木綿豆腐が3つ。買ってきたばかりのひょっとこフーズの木綿豆腐3連が1つ。
ひよっとこ祭りかよ。
冷静に考えろ。いくら冷凍でも年度が違うのはもうアウトだ。3ヶ月前は食べられるかな? あとで検索。1週間前は余裕。
でもって買ったばかりの3連。
「とりあえず冷蔵庫入れるか……アッ!」
扉をあけたとたん背筋に悪寒が走った。冷蔵庫なだけに。
そこにはひょっとこフーズの極小粒納豆3連パックが鎮座していたから。
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