快晴の屋上で

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2年も経つじゃねーかよ… 俺はそう思うと、祝雅に腹がたった。 でも、少しの間の静寂が続くと… 「…本当に死ぬのか…?」 「うん、死ぬよ。」   「…そうか。」 俺は間をあけてそれだけを言った。 そして、また缶ジュースをグビッと飲んだ。 何を言えばいいかわからなかった。 どんな顔をすればいいかわからなかった。 祝雅が死ぬなんて思っても見なかったから。 爺さんになっても…ずっと一緒にいれると思っていた。 今でも信じられない。 呑気に折り紙を折ってる祝雅を見て思う。 こいつなら死んだとか言って、葬式に棺桶から元気よく出てくる気がする。 うん、あり得る。 今も祝雅は、できたー!などと足の付いた折り鶴を満面の笑みで浮かべて持ち上げている。  「祝雅…いつくらいに死ぬんだよ…」 どうしても信じられなかった。 「確かね、半年だったかな~?」 呑気に言うが、たったの半年。 その期間に、祝雅が病気なのを少し実感させられた。 今春だぞ?秋には死ぬってことかよ… 信じられねーよ… そもそも、なんで俺に言わないんだよ。 俺達幼馴染みなんじゃねぇのかよ… むしゃくしゃして空になった缶を鉄のフェンスに投げつけた。 カキンッ!と音を立て空き缶が落ちた。 その音に祝雅は体をビクッとさせた。     
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