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俺と祝雅
夕焼け色に染まり始めた空。
俺は独りで、とぼとぼと帰路を歩いていた。
いつもは祝雅と帰るが、先日の屋上の件で気まずくなり、俺は祝雅を置いて勝手に帰ってしまった。
朝も勝手に時間をずれして登校していた。
それも今日で1ヶ月近くになっていた。
悪いことしてるとは思っている。
それでも、どんな顔をして祝雅に向き合えば良いのか…
俺には分かるはずもなかった。
ただ、俺に病気のことを打ち明けてくれなかったことに対して苛ついていただけなのかも知れない。
どっちにしろ、こんな気持ちで祝雅に会えなかった。
幸いなことに、俺は2組、祝雅は5組なので会うことはほぼなかった。
「っちゃーん!こ…」
気のせいか後ろから祝雅の声が聞こえる。
幻聴聞こえるとは…
ついに追い詰められたか俺…精神的に…
「こうちゃん!待ってよー!」
いや、幻聴じゃない。
はっきりした声に勢いよく振り向く。
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