2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめんね…隠していて…」
「あ?もういいよ、俺も避けて悪かったよ。」
シュンとしている祝雅に強く言えず、頭をかきむしりながら顔をそらした。
祝雅は先ほどまでの泣きそうな顔は、安堵の表情に変わっていた。
「…祝雅は何かしたいとかないのか?」
静寂が辛かった。
祝雅は考え込むように、握った拳を口に当て固まる。
「僕、飛行機に乗って外国に行きたいな。」
「よし、夏休みに行こう。」
俺の答えは何が来てもyesだった。
今は六月…行くなら来月か。
「幸ちゃん外国だよ!?なに言ってるの!?」
アワアワしながら俺を揺さぶる祝雅。
「あぁ、思い出作りしないとだろ?」
淡々と俺が言うと、静かになった。
笑顔が消えた祝雅は怖かった。
「その前に海にいくぞ、祝雅。」
「え!海!?行きたい!」
そろそろ暑くなり始めていたから、ちょうど良いだろう。
これからはもう逃げない。
最初のコメントを投稿しよう!