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「うるせえ！ 俺は今からすぐに姫を助けに行かなきゃなんねえんだって！ 」
「いえ。ですからその件につきましては、我が国の不法勇者が代行しておりますので…」
「意味わかんねえよ！ここはどこなんだ！魔王は姫を監禁してんだ！話のわからん奴め！一刻を争うんだ！！」
ただいま異世界からやってきた勇者と面談中です。朝から候江さんが心配していたように、なかなか話が出来そうもない。例によって攫われた仲間、この場合はお姫様ということらしい。姫の行方を追っていた途中で強制召喚されてしまった勇者はなかなか自分の状況を理解できずにいた。
「勇者様にご理解いただくのは容易いことではないと、私どもも承知しておりますが。姫は異世界転生した冴えない中年勇者が無事に回収致しまして。今やドキドキわくわくなハーレムを形成し、次巻につづく★という安定のストーリー展開をしております。なおかつ今後続編内においてもあなた様の出番はなさそうですので、元の世界に戻られるのは難しいかと…」
「お前！言ってること全然わかんねえ！もしかして魔王の手下か！…俺を騙そうとして！？」
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